業種別のシステム
Excelでの管理が限界になるサインと、その次にやること
2026.10.09
Excel で足りているなら、作らなくていい
受注も在庫も、Excel で管理している会社は多いです。そして、たいていの場合それで足りています。 足りているうちにシステムを作る必要はありません。月に数十件の受注を1人で扱っているなら、Excel のほうが速いです。項目を増やすのも、集計の式を変えるのも、その場でできます。 問題は、限界を超えたあとも気づかずに使い続けることです。Excel は壊れずに動き続けるので、限界が来ても警告が出ません。
限界が来ているサイン
次のうち3つ以上が当てはまるなら、超えています。
- 同じ内容を2か所以上に書き写している。 受注メールを見て在庫表に入力し、別のシートに請求用に入れ直す、など
- 「最新版」がどれか分からなくなることがある。
在庫管理_最終_v3_修正.xlsxが存在する - その作業ができる人が1人しかいない。 休むと止まる
- 月末や締め日に、決まって残業が出る。 集計そのものに時間がかかっている
- 数字を聞かれて、すぐ答えられない。 開いて、絞り込んで、足してから答えている
- 入力ミスが見つかるのが、たいてい後工程。 出荷や請求の段階で気づく
特に1つ目が重いです。転記は、必ず一定の割合で間違います。 注意では減りません。
超えると何が起きるか
一番コストが大きいのは、残業ではありません。属人化です。 その Excel の作りを分かっているのが1人だけ、という状態になります。その人が辞めるか休むと、業務そのものが止まります。引き継ごうとしても、式が埋まったシートを他人が読むのは簡単ではありません。 次に大きいのが、意思決定の遅れです。数字を出すのに半日かかる状態だと、月に1回しか見なくなります。週1回見ていれば気づけたことを、月末に知ることになります。
次にやること
超えていたとして、いきなり全部を作る必要はありません。順番があります。 1. 転記をなくす。 いちばん手間が掛かっている1か所だけを選び、自動で移るようにします。既にあるサービス同士なら、API でつなげば済むことが多いです。会計・販売管理・チャット・フォーム・表計算は、たいてい繋げます。 2. 入力口を1つにする。 同じ情報を2か所に入れている状態をやめます。どこか1つを正とし、他はそこから見るだけにします。 3. 数字を見る場所を決める。 毎朝そこを見れば分かる、という画面を1枚つくります。これは作るより、既存のツールに集めるほうが早いことが多いです。 ここまでで、残業と属人化のかなりの部分は消えます。システムを作るのは、そのあとで足りない部分だけです。
落とし穴
- 全部を一度に置き換えようとする。 止まります。1か所ずつ移します
- Excel を完全になくそうとする。 集計と下書きには Excel が向いています。残していい
- 現場に聞かずに決める。 実際の手順は、決める側が思っているものと違います
- 繋いだあとの監視を忘れる。 自動で動くものは、止まったことに気づきにくいです
まとめ
- Excel で足りているうちは作らなくていい
- 限界のサインは、転記・最新版の不明・属人化・締め日の残業・数字が出ない・後工程でのミス発覚
- 一番のコストは残業ではなく属人化と意思決定の遅れ
- 次にやるのは、転記をなくす → 入力口を1つにする → 数字を見る場所を決める、の順
- 既にあるサービス同士なら、作らずに繋いで済むことが多い
- 全部を一度に置き換えない。1か所ずつ
どこを作ってどこを繋ぐかの考え方は 業務システムのページ に書いています。