Web 制作
HP制作の見積りが3倍違うとき、何が違うのか
2026.10.02
同じ依頼で、見積りが3倍違う
同じ「ホームページ1式」で相見積りを取ると、20万円と60万円が並ぶことがあります。 多くの場合、差は画面の数ではありません。デザインの好みでもありません。入っている工程の数です。安いほうは工程を抜いてあり、高いほうは入れてあります。どちらも嘘はついていません。 抜ける工程は決まっています。見積書には出てこないので、発注する側からは見えません。
抜かれやすい工程
| 工程 | 抜くとどうなるか |
|---|---|
| 誰に向けるかの整理 | 「全部載せ」になり、誰にも刺さらない |
| 構成の設計 | テンプレートの並び順のまま。探している情報にたどり着けない |
| 文章の作成 | 「原稿はご用意ください」。これが一番止まる |
| 写真の手配 | フリー素材で埋まる。どこかで見た写真になる |
| スマートフォンでの確認 | 崩れたまま公開される |
| 表示速度の調整 | 画像が重く、開く前に閉じられる |
| 検索エンジン向けの記述 | 検索結果に出ない |
| 公開後の修正 | 1文字直すのに費用がかかる |
安いほうの見積りは、このうち半分以上が入っていないと考えて構いません。
一番止まるのは文章
工程を抜いた制作でいちばん多い事故は、技術的なものではありません。原稿が出てこないことです。 「文章はお客様でご用意ください」という条件で始まると、だいたい止まります。本業がある人が、慣れない紹介文を何ページ分も書くのは現実的ではありません。結果、3か月経っても公開できない状態になります。 制作費は安く済んでも、公開が3か月遅れたぶんの機会損失のほうが大きくなることがあります。
工程の数は、あとから効いてくる
抜いた工程のうち、公開直後に困るものは多くありません。見た目はどちらも整っています。 効いてくるのは半年後です。
- 検索から人が来ない
- 問い合わせが増えない
- 内容を変えたいが、頼むと費用がかかる
- スマートフォンで崩れているが、誰も気づいていない
このとき、安く作ったサイトは直すより作り直したほうが早い状態になっていることがあります。2年で2回作ると、最初から工程を入れた場合より高くつきます。
見積りを見るときに聞くこと
金額を比べる前に、同じ条件になっているかを確かめます。
- 文章は誰が書くのか
- 写真は誰が用意するのか
- 公開後の修正は、何回まで、いくらか
- スマートフォンでの確認は入っているか
- 表示速度は測るのか
この5つを両方の業者に聞くと、金額の差の理由がだいたい分かります。差が工程の有無なら納得して選べます。差が理由なく大きいなら、そこで判断できます。
安いほうが正しい場合もある
工程を全部入れればよい、という話ではありません。
- 公開を急いでいて、中身はあとから直す前提
- 名刺代わりの1ページだけでよい
- 自社に文章を書ける人がいる
この条件なら、工程を削った制作で足ります。削ることが問題なのではなく、削ったことを知らずに発注するのが問題です。
まとめ
- 見積りの差は、画面の数ではなく工程の数であることが多い
- 抜かれやすいのは、構成の設計・文章・写真・速度・公開後の修正
- 一番止まるのは技術ではなく原稿
- 効いてくるのは公開直後ではなく半年後
- 金額を比べる前に、文章・写真・修正・スマートフォン・速度の5つを両方に聞く
- 工程を削ってよい場合もある。問題は、削ったと知らずに発注すること
HP 制作の進め方と、どこまでを含むかは Web 制作のページ に書いています。